ウッピー先生の「ぶっちゃけ教育論」追稿

●民間への再就職を試みてみた
 学校を離れて、とりあえずパートでも探そうかと、タウンワークや求人ボックスなどのインターネットを活用して応募してみることにした。結果、ホームセンターや郵便局など3社の面接を受けたが、いずれも1週間後に不採用通知が届いた。裏条件があるのか理由はよくわからないが、民間会社は一見間口は広いように見えて、こちらが条件を合わせても採用されないことがあるようです。また、あるビジネスホテルの経理事務にも応募したところ、社長から直接面接を受けて、「あんたのような経歴の人が何でこんなところを受けるのかね?」なんて威圧されてしまい、直後に頭痛がしてきて、翌朝即刻、辞退の連絡を申し入れた。このように、教職という経歴が逆に再就職には不利になるということもあります。あと、パートなら、食品売り場のレジやコンビニなんかを見ての通り、男性よりも女性の方が採用されやすいということは知っておいた方がいいでしょう。一般に、女性の働きぶりは「丁寧でこまやか」であるが、男性は「力仕事はできるが雑」という認識があるようです。
 結局、シニア男性なら、ハロワ(ハローワーク)を通じて、相談員を仲介して面接を受けた方が採用されやすいということがわかりました。ハロワに登録して求職番号をもらい、インターネットを通じて就業場所や職種の複合条件で検索します。職種としては、「清掃」「介護補助」「病院関係」が最も多く、自分がやりたいようなめぼしいところがあれば、瞬殺でハロワに行き相談員に仲介してもらいます。こんなやり方で、私は何とかハウジングセンターの警備の仕事を得ることができました。時給¥1,000で1日7時間、土・日・祝日のみ勤務ですが、警備員は私一人しかいなく、入車のカウントやハウジングセンター内の巡回を1日3回やるだけの単純な仕事です。人間関係の煩わしさは全くありません。外での仕事になりますので、暑さ・寒さ・雨対策は必須です。

●ブラック職場での対処法を考える
 世の中の大半の仕事は、研究職などの特殊な能力を必要とする仕事や創造力を有するクリエイティブな仕事以外は、高卒以上であれば、一通りやり方を聞いて覚えれば誰でもできるような単純作業がほとんどです。それを、経営者や先輩方が勝手にルールや仕組みを作ってしまい、世の中や組織を複雑にしてしまっているようなところがあります。
 職場での悩みの大半は人間関係です。新転任が入ってきたりすると、何かウイルスなどの異物でも混入したかのように免疫機能が働いて監視されます。そして、教員集団も猿社会と同じですから、どちらが上でどちらが下かということをお互いにマウントを取りながら探り始めます。不思議なことですが、教員の世界では、転勤して1週間以内に、先々、主任や教頭などに昇格する人かどうかががわかってしまうのです。私のような組みしやすい人間は、小間遣いや番犬など、人がやりたがらない「汚れ仕事」を任されたり、なり手がいない部活動の顧問をやらされることになります。ブラック職場によくある「いけにえゾーン」にはまったら、次の新人が来るまで、そのポジションで耐え忍ぶしかありません。あと民間でもそうですが、特に狭い職場環境の中では、パワハラ・モラハラ・セクハラなどのハラスメントも多いようです。管理職などの「マウンティング上司」は、自分の立場を守ろうと「恐怖政治」を敷くこともあります。
 ブラックに対処するために、人は様々な行動をとります。1点目は、感情がオーバーフローしてブチ切れるという方法。このやり方は即効性があり、一度「マウント返し」に成功すれば、警戒され、自分の立場は守られます。2点目は、亀の甲羅のように、周囲からとことん嫌われて総スカンを食らったとしても「堅物(かたぶつ)」を演じるという方法。3点目は、職員室の喧騒から離れて、図書の準備室のような、いわば「タコつぼ」のようなところに入って常駐するという方法などがあります。
 教職員の大半は常識人ですが、どこの学校にも必ず一人や二人、癖のある人がいて、その人が「台風の目」になることがよくあります。組織の中に構造的な欠陥を抱えていても、一応回っていくという学校は本当に不思議なところです。